ABOUT

「非エンジニアのためのエンジニアリング」に興味を持っていただいてありがとうございます!ここでは、このサービスが運営されている目的と、運営している人間(gami)について紹介します。小難しい話も出てくるので、興味が無い方はまず興味を持てそうなチュートリアルを進めることをおすすめします。

何のためのサービスか?

「非エンジニアのためのエンジニアリング」は、目指すべき明確なミッションのもと、gami個人で運営されています。私の中で当時モヤモヤと感じていた課題感を解消するために、2020年4月につくられました。

Mission

「非エンジニアのためのエンジニアリング」が果たすべき使命は、次の通りです。

  • エンジニアリングの民主化を通じて、楽しく働く人を増やす

このMissionについて、「エンジニアリングの民主化」と「楽しく働く人を増やす」の部分に分けて説明します。

「エンジニアリングの民主化」とは何でしょうか?

「民主的」の反対語は、「専制的」です。「専制」とは、「独断で思うとおり処理すること」です。これまで、エンジニアリングの力はエンジニアやITベンダーによって寡占されていたように思います。もちろん、ほとんどの職種の人がエンジニアリングを駆使してつくられた業務アプリケーションを使っています。間接的にエンジニアリングの恩恵を受けていると言えるでしょう。しかし、ほとんどのエンジニアリングの現場は、依然として「エンジニア」と呼ばれる人たちを中心とするチームにあります。「非エンジニア」のほとんどは、ブラックボックス化した業務アプリケーションなるものに振り回されています。こうした状況が生み出された背景には、「エンジニア」と「非エンジニア」の共犯関係があったように思います。「エンジニア」は「非エンジニア」から知識を奪い取ることで、自らの仕事を効率的に進められるようにしました。「非エンジニア」は小難しいエンジニアリングを「エンジニア」に押し付けることで、本来の業務に集中できるようにしました。どちらが悪いという話ではなく、当時の環境下における効率性を追求した、きっと合理的な判断でした。

しかしながら、エンジニアだけがエンジニアリングに向き合うようなアプローチでは対応できないほど、多くの業務や事業は複雑で変化の早いものになってしまいました。たとえば、今現在の情報を元に1年後にリリースするtoCのサービスを全て設計したとしても、すぐに市場環境が一変し1年後には時代遅れのサービスをリリースすることになってしまう。そんな悲劇が数多くの現場で起こっています。サービス自体の内容や機能に限らず、その広め方、売り方、改善サイクルの回し方などを変化に強いものにすることが、事業上の競争力につながっていく局面が増えています。不確実性の高い状況において確実に前に進むためには、より現場に近い側でパラレルかつ高速に仮説検証サイクルを回す必要があります。エンジニアにエンジニアリングの全てを押し付けているようでは、スピードを上げることは難しくなってしまいます。

エンジニアリングとは何かについて、『エンジニアリング組織論への招待』[広木 大地(2018).  技術評論社]には次のように記載されています。

エンジニアリングという行為は、何かを「実現」することです。実現のために、不確実性の高い状態から、不確実性の低い状態に効率よく移していく過程に行うすべてのことです。

エンジニアリングと聞くと、「プログラムを書くこと」の格好いい言い方だ、くらいの印象しか抱かないかもしれません。しかし、不確実性を効率よく下げるための行為をエンジニアリングと呼ぶのであれば、もっと広い行為を指しているはずです。非デザイナーでも日々の業務で少しはデザイン(設計)をしているように、非エンジニアでも日々の業務で少しはエンジニアリングをしています。その上でさらに強力で効率的なアプローチを学ぶためには、エンジニアリングのプロであるエンジニアたちが積み上げてきた知見を借りるのが手っ取り早いです。特に近年ソフトウェアエンジニアリングの分野では、エンジニアリングの対象とする業務領域がどんどん広がっています。プログラミングやソフトウェア設計だけではなく、組織設計、MTGの進め方、チームビルディングなどについても、ソフトウェア工学的アプローチによって知見が積み上がってきています。こうした知見は、ソフトウェア開発やエンジニア中心のチーム以外でも役に立つはずです。

幸い、こうした知見が反映された業務アプリケーションがものすごい勢いで数を増やしています。その多くはSaaS形式で提供され、Webブラウザから誰でも簡単にアクセス可能になっています。しかし、それらを深く使いこなすためには、ベースとなるエンジニアリング知識が求められるケースも多いです。アプリケーションの設計思想を理解することで、効率的な使い方の予想がついたりします。また個別具体的なレベルでも、「カスタマイズにはJavaScriptや正規表現の知識が必要です」といったケースは多いです。どんなに素晴らしいアプリケーションであっても、この世の全ての複雑かつ変化の早い課題に対しての最適解を自動で出してくれるわけではありません。人間の脳のメカニズムすら完全には解明されていない現状で、それを超える汎用AIが生まれる未来に期待するのは現実的ではありません。アプリケーションを使いこなすためのエンジニアリング知識を身に付けて、一緒に不確実性に立ち向かっていきましょう。

Missionの後半は、「楽しく働く人を増やす」としています。

ここまで書いてきた「エンジニアリング」にまつわる内容を読むと、「今までと同じやり方では仕事が無くなってしまうかもしれない」と不安に感じたかもしれません。しかしあえてポジティブに捉えると、「今までの仕事にエンジニアリングの力を掛け合わせて希少価値を出すチャンスだ」とも言えます。

仕事を楽しくするためには、一定以上の評価を社内外で得るのが近道です。評価されているという実感があればこそ、言いたいことが言えるし、自由に動けるからです。評価されるための強力な手段の一つは、自分の希少性をあげることです。そして、希少性を上げる手っ取り早い方法は、複数のスキルを組み合わせることだと考えています。1つのスキルを突き詰めて希少性を出している人は、よく目立ちます。ときには格好よく見えるかもしれません。一方で、多くの人が自分の土俵で戦おうとする結果、競争が激しくなりやすいという側面もあります。対して、複数のスキルを組み合わせて希少性を出すアプローチは、工夫と努力次第で誰でも価値を出しやすいです。

「エンジニアリング」という領域は、他のスキルと掛け合わせてシナジーが出やすいと感じます。それは、エンジニアリングという概念自体が、「不確実性を効率よく下げるための行為」という懐の広いものであるからです。誰もが自分のメインの職種や役割に応じた不確実性と戦っています。その不確実性に立ち向かっている人自身がエンジニアリングの素養を身に付けることは、さらに高い価値を出すための強力な「2つ目の武器」になるのではないかと思っています。

そんなわけでこのサービスは、「エンジニアリング」という力を借りて、さらなる希少価値を出してもっと楽しく働きたい人を応援し、日本のお仕事界隈をよりハッピーで生産性の高いものに変えていくための一助となることを目指します。

Vision

「非エンジニアのためのエンジニアリング」が目指す状態は、次の通りです。

  • エンジニア以外の様々な職種の人に対して、仕事に役立つエンジニアリング知識を得られる場所を提供する

このVisionについて、「様々な職種の人に対して」と「仕事に役立つ」の部分に分けて説明します

ご存知の通り、エンジニアリングにまつわる教育コンテンツは世の中に溢れています。あえて個別のサービス名は挙げないですが、「プログラミング 学習」や「エンジニア 教育」などと調べると、たくさんのサービスが出てきます。エンジニアの数は足りないと言われているので、それ自体はとても素晴らしいことです。

しかし、こうしたサービスのほとんどが、「エンジニアになりたい人」や「スキルを高めたいエンジニア」に向けて提供されています。非エンジニアがプログラミングやエンジニアリングに希望を感じてそれらを学ぼうとしても、「エンジニアになりたいならこれを学んだ方がいいですよ!」と訴えかけてくる大量のコンテンツに辟易してしまう。通訳の仕事がしたい人に向けた英語教育のコンテンツと海外旅行に行きたい人に向けたそれは、それぞれ全く違うものになるはずです。それと同じように、エンジニアになりたい人に向けたエンジニアリング教育とエンジニア以外の様々な職種の人たちが仕事で使えるようなエンジニアリング教育とは、それぞれに最適な形があるはずです。「非エンジニアのためのエンジニアリング」は、そんなぽっかり空いた穴を埋めるために、エンジニア以外の職種の人に向けて情報発信をしていきます。

加えて重要なのは、「仕事に役立つ」ということです。趣味でエンジニアリングを学ぶ人も世の中にはたくさんいます。特にエンジニアの中には、エンジニアリングの手法自体に面白さを感じて突き詰めていくような人も多いです。そしてそんな営みの中で、より効率的なエンジニアリング手法が生み出されていきました。こうした背景から、エンジニア向けの学習コンテンツの多くは「JavaScriptを学ぼう!そのためにまずはこの文法をマスターしましょう!」といった「手段ドリブン」な展開で進んでいきます。

しかし、エンジニア以外の職種のほとんどの人にとって、エンジニアリングとは単なる手段でしかありません。何か解きたい課題や直面している不確実性があり、その解決をエンジニアリングの知見に対して求めているはずです。そんな中で「手段ドリブン」なコンテンツを読んでも、「それがいったい私の仕事の何の役に立つんだい?」という疑問を解消できずに萎えてしまいます。エンジニア以外の人にとっては、「このプログラミング言語を使うと何ができるのか」とか「このサービスでどんな業務効率化ができるのか」といったことの方がまずは重要です。そこからさらにエンジニアリングの手法に興味が湧いたら、そこで初めて手段に目を向けて掘り進めればいい。「非エンジニアのためのエンジニアリング」は、エンジニアリングの力があなたの仕事にどう役立つのかをまず説明することを心がけます。もちろんさらにエンジニアリングの深みを覗きたくなった人に対しても、適切なガイドを提供します。

なお、当面は私のバックグラウンドによる制約もあって、ITやコンピュータサイエンスと呼ばれる領域に近い情報発信がメインになります。もちろんコンピュータサイエンス以外にもエンジニアリングはあります。いずれはより広いエンジニアリング分野に手を伸ばしていきたい気持ちもあります。一方で、コンピュータサイエンスは応用の幅が広く、どんな職種の人に対しても恩恵があると信じれれる分野でもあります。特に現代においては、驚くほど多様なモノが抽象化され、ソフトウェアを通じてアクセスできるようになっています。その意味でも、ソフトウェア産業から生み出されたエンジニアリングの知見を使って広大なエンジニアリングの世界の門を叩くことは、きっと最良の選択肢です。

Values

Missionの達成やVisionの実現のために、「非エンジニアのためのエンジニアリング」のサービス提供において重要視している価値観は、次の3つです。

  • 目的を持ってエンジニアリングに向き合う

前述のように、「非エンジニアの仕事を楽しくする」ということを目指そうとすると、「学びの目的」を明確にしたコンテンツ作成が重要になります。個々のコンテンツについては、「ここで体験することが何の役に立つのか」や「この学びが何を理解するのに必要なのか」ということをわかりやすく明記します。そうしてモチベーション高く学びを継続できるようなコンテンツ作りを目指します。

  • 正確さとわかりやすさを両立する

「正確さ」と「わかりやすさ」は、しばしば天秤にかけられます。複雑な概念をそのまま正確にわかりやすく伝えるというのは、至難の技です。多少の正確性を欠いてでもわかりやすさを優先するようなアプローチも、場合によっては必要でしょう。しかし、過度な単純化によって本質的な理解を欠いてしまっては、少なくとも「エンジニアリングの民主化」にとってはマイナスです。私は残念ながらスーパーエンジニアではないので、誤解に基づくミスもあるかもしれません。ただ、なるべく本質を損わずにわかりやすく伝えられるような手段はないかを、常に模索していきます。

  • 実践から来る失敗の中で成長する

失敗をしないコツは、何もしないことです。新しいことを始めて変化が生じると、人間は大なり小なり必ず失敗します。一方、人間は失敗を積み重ねて成長する生き物です。失敗して初めて、目の前のことに真剣に向き合い、どうすれば成功するかを自ら考えるようになります。失敗したときの転び方を覚えると、失敗が怖くなくなり、新しいことに取り組む不安が軽減されます。やったことがないことにどんどん挑戦し、新しい学びを獲得するスピードが上がります。読書には失敗があまりありません。なんとなくテキストを読んでわかった気になる一方で、本当にわかったかどうかを検証する方法が無いからです。「非エンジニアのためのエンジニアリング」のコンテンツは、実践形式のチュートリアルがメインです。チュートリアルを進めていると、思った通りに動かないことがきっとあります。失敗のパターンは無数にあるので、その全てをコンテンツで解決することはできません。そんなときこそ、あなた自身でその失敗を成功にもっていき成長をするための、絶好の機会です。「非エンジニアのためのエンジニアリング」では、そんな学びの多い失敗体験を提供します。

誰が作っているか?

池上 純平( gami )
Twitter: @jumpei_ikegami

東京大学経済学部卒業後、2015年4月に富士通株式会社に新卒入社。自治体向けのシステム開発に従事。2016年11月より株式会社プレイドにジョイン。CXプラットフォーム「KARTE」の開発やテクニカルサポートを中心に、採用やイベント運営など幅広い役割を担う。

エンジニアリング・リテラシーの重要性を痛感し、2019年4月に技術書典6で『非エンジニアのためのJavaScript』を頒布。Developers Boost 2019とDevelopers Summit 2020で、「エンジニアリングの民主化」をテーマに登壇した。2020年4月、「非エンジニアのためのエンジニアリング」を公開。

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